Faylay~しあわせの魔法
「……それで」

通信機のスイッチを切り、腕に嵌めなおしたフェイレイは腕組みをして考えた。

「どうやって精霊王を呼び出せばいいだろう」

「……召喚すれば良いのではないですか?」

「召喚って、どうやってやればいいだろう」

真剣にそう訊くフェイレイに、ヴァンガードはポカンと口を開けた。

「……出来るでしょう?」

「うん、それが……あのときは無我夢中というか、火事場の馬鹿力みたいな感じで召喚したから、良く覚えてないんだ」

ハハ、とフェイレイは笑った。

「……笑い事じゃありませんよ!!」

ヴァンガードは突然怒り出した。

「そのくらいなんとかしてくださいよ! 魔族と仲良くするよりよっぽど簡単でしょうよ! リディルさんを想う貴方の気持ちはそんなものですか! だったら僕が行きますけどいいですか!?」

「おおう……」

フェイレイとタウはその怒りに恐れ戦いて後退りした。

最近の彼は本当に怖いのだ。

フェイレイが怒らせているのもあるが、師匠が師匠なだけに迫力が違う。

「うん……ハルカさんもああ言ってたし、誕生日の君は強い星に導かれているんだろう? なんとか出来るんじゃないかな?」

タウはヴァンガードの怒りをこれ以上強くしないよう、柔らかくそう進言した。

「が、頑張ります」

フェイレイも逆らわずに頷いた。

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