Faylay~しあわせの魔法
だが、それも出来そうにない。
重い沈黙を、アリアが破った。
「皇都から命令書が届いた。今年17になる身元不明の娘を差し出せと」
それを聞いたランスは大きく息を吐き出しながら目を閉じた。
「ランス。私はどうしたらいい? リディルは私の娘だ。だが私は……数多いるセルティアの傭兵たちを危険に晒すわけには……いかんのだ」
アリアは頭を抱え込む。
「今の惑星王は容赦ない。逆らえば、街のひとつくらい、簡単に吹き飛ばす。……それを許すわけには、いかぬ……」
苦悩する妻に、ランスは掛ける言葉を失う。
──どうしたら良いのか、分からなかった。
決断のときが、迫っている……。
重い沈黙を、アリアが破った。
「皇都から命令書が届いた。今年17になる身元不明の娘を差し出せと」
それを聞いたランスは大きく息を吐き出しながら目を閉じた。
「ランス。私はどうしたらいい? リディルは私の娘だ。だが私は……数多いるセルティアの傭兵たちを危険に晒すわけには……いかんのだ」
アリアは頭を抱え込む。
「今の惑星王は容赦ない。逆らえば、街のひとつくらい、簡単に吹き飛ばす。……それを許すわけには、いかぬ……」
苦悩する妻に、ランスは掛ける言葉を失う。
──どうしたら良いのか、分からなかった。
決断のときが、迫っている……。