歌姫ロンリネス

「中々センスいいじゃんか。
名前とか決めてみる?」

「名前…、





…ジョンソン?」



「「ぶっっ…!!」」


「えっ、えっ?」

吹き出した二人に、疑問符を浮かべる。

「ひなたちゃっ…!ジョンソンて…!ジョンソ…ぶはははっ!!」

「く…くくっ…ふははっ!、いい、と思う…!」

笑いながら頭をポンポンと撫でる翔先輩。

「じゃ、ちょっと待っててな……っジョンソン…ふはは!!」

するとジョンソンを一度店の奥へ持っていき、準備を始める芳樹さん。

「…っはぁ。しかしお前、面白いセンスしてんのな」

「そうですか?」

いい名前だと思うけど…。
馬鹿にされてる感が拭えないのは何故だろう?

「そういうとこ、お前のいいとこだな」

ニッと笑う先輩に、芳樹さんが肩を組む。

「一応、お持ち帰りの準備終わったけど…練習するならスタジオ貸すか?」

芳樹さんの指差している方を見ると、ギターケースに収められたジョンソンと、コンポくらいの大きさのアンプ。
そして必要な道具などをまとめた箱が、全て揃えてあった。


「これ、全部でいくらですか?私、そんなにお金持ってないんですけど…」

すると、フフンと笑って芳樹さんは言う。

「うちはな、ネットで買う楽器初心者セットには負けない!ってのをポリシーにしてんだよ」

「はあ…。で?」

「ネットで買うと、このセットは大体1万5千円から2万円ってとこだから…。
んー、特別価格、1万2千5百円でどうだ!」


「ありがとうございますっ!!」



< 16 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop