歌姫ロンリネス
「中々センスいいじゃんか。
名前とか決めてみる?」
「名前…、
…ジョンソン?」
「「ぶっっ…!!」」
「えっ、えっ?」
吹き出した二人に、疑問符を浮かべる。
「ひなたちゃっ…!ジョンソンて…!ジョンソ…ぶはははっ!!」
「く…くくっ…ふははっ!、いい、と思う…!」
笑いながら頭をポンポンと撫でる翔先輩。
「じゃ、ちょっと待っててな……っジョンソン…ふはは!!」
するとジョンソンを一度店の奥へ持っていき、準備を始める芳樹さん。
「…っはぁ。しかしお前、面白いセンスしてんのな」
「そうですか?」
いい名前だと思うけど…。
馬鹿にされてる感が拭えないのは何故だろう?
「そういうとこ、お前のいいとこだな」
ニッと笑う先輩に、芳樹さんが肩を組む。
「一応、お持ち帰りの準備終わったけど…練習するならスタジオ貸すか?」
芳樹さんの指差している方を見ると、ギターケースに収められたジョンソンと、コンポくらいの大きさのアンプ。
そして必要な道具などをまとめた箱が、全て揃えてあった。
「これ、全部でいくらですか?私、そんなにお金持ってないんですけど…」
すると、フフンと笑って芳樹さんは言う。
「うちはな、ネットで買う楽器初心者セットには負けない!ってのをポリシーにしてんだよ」
「はあ…。で?」
「ネットで買うと、このセットは大体1万5千円から2万円ってとこだから…。
んー、特別価格、1万2千5百円でどうだ!」
「ありがとうございますっ!!」