歌姫ロンリネス



『夕暮れの公園で一目惚れ―』


…まるで今この瞬間を表したような歌詞。

一目惚れはないと思うけれど。

「瀬良先輩…?」

目の前にいる地元No.1イケメン、瀬良 翔(セラ カケル)。高校一年生。

茶色の長くてくるくるした髪の間から、ちらちらと見えるピアス。

真面目に着ているはずの制服は逆にセクシーに見える。

しかし爽やかだ。
聞いてたより怖くない。

カッコイイと思う。

頭脳明晰で、常に成績はトップらしい。
だからなのか授業にはあまり出ずにサボってばかりだと聞く。

カケル、という名前だけあってスポーツ万能。なのにどの部活にも入らないんだとか。

まるで舞うようにケンカをし、町1番だと話は聞くけど、誰も見たことがないと言う。

噂は本当らしい。
今部活の時間なはずなのに。

私が人のこと言えないけど。

「お前、確か…」


ふと、低音の綺麗な声が聞こえた。






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