"運命"を信じた日

ベンチ

「ごめん!!」
私はそう言って顔の前で手を合わせて柚美に謝る。
「も～。じゃあ明日は絶対一緒に帰ろうね??」
そう言ってほっぺをふくらませる柚美。
「うん!絶対ね!!ほんとごめん!!」
そう言って私はいつもの場所へ急ぐ。
あの人今日もいるのかな？話しかけてもようかな？
なんて考えながらとにかく走った。
「……いないじゃん」
ここに来る人なんてめったにいないから
仲良くなりたかったのに少し残念だな…
なんて思いながらいつものベンチに座った。


…あれ？？


ベンチにスクールバックがおいてある。
紅楠高校のカバンだ。
昨日の男の子のかな？？
とか思いながらじっとみつめていたら
「なにしてんの？」
後ろから聞こえる低い男の子の声。
「あっ、いや、えーっと、ぅわっ」
あせって立ち上がったら制服のポッケに入っていた生徒手帳が落ちた。
「恋菜…？」
そういって私の生徒手帳をみつめている男の子。
「あのー…」