ぼくはくま。
切実な想い
『はぁー…今日も優くんかっこよかったんなぁ。
話してみたいなぁ…』
少し寂しそうな顔で僕を見つめる千秋ちゃん。
そんな悲しそうな顔しないで?
千秋ちゃんには僕がいるよ!
『…ってこんなことルピーに言っても仕方ないよね…』
『千秋ちゃーん!ご飯よ、おりてきなさーい』
『はーい!!
でもルピーはちゃんと聞いてくれてるもんね。
じゃあルピーご飯食べてくるね』
ガチャ――
扉を開けて出て行く千秋ちゃん。
ぼくだって千秋ちゃんとお話したいよ。
千秋ちゃんが優くんの話をするのをちゃんと聞いて、返事してあげたいな…
僕はいつもそう思うだけ、だって僕は"ぬいぐるみ"だから。