ぼくはくま。


『えっ…誰?
誰かいるの?』


千秋ちゃんには届かない僕の声で呼んでみると、どこからともなく声が聞こえた。


『ふふっ、こっちだよ』


『…こっち?』


ほんとにどこにいるんだろー…

声だけじゃどこに居るのか分からないや。


『だからこっちだって!
ほら、窓をみてごらん!』


『窓?……っわぁ!』

さっきまで誰もいなかった窓辺には、見たことのない人が立っていた。





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