パレット
第一章.ピンク色
「ピンク色。」
私と彼奴の二度目
再会…─。
切っ掛けは私の
転校先が彼奴と同じ
学校だったの。
照れ臭い自己紹介を
終えて校長先生の
無駄に長い話を聞きに生徒等が集まる暑い
講堂へと入った。
転校生だからかな?
周りが先生の話を
聞かないでこっちを
見てる。
「梨乃ちゃん、だよね?…あたしゆき!宜しくねっ」
前に座っていた子が
周りの目を見計らって振り向くと遠慮がちに話し掛けてきた。
目はぱっちりして
癖毛なのか髪の毛は
ふんわりしていて
可愛らしい子。
「…あ、うん…宜しくね…」
人見知りな私は
小さく微笑み返した。
「何かわかんない事あったら何でも言ってね?」
にこ、と可愛らしく微笑んで言い終えると
先生の視線に気が付き"あちゃ…"と言う表情をし前を向いた。
ゆきが私が転校して
初めてできた友達。