サイドにプリンス⌒☆
Prince⌒Ⅰ*゜
「京ちゃ~ん!!おっはよ~!!!そして入学おめでと~★」
満面の笑みのあたしの目の前にいるのは、
超驚いて腰をぬかしたような格好をしている幼なじみ、
山門 京平(ヤマト-キョウヘイ)。
通称:京ちゃん。
というか、そんな顔になるのも当たり前か。
だってあたし、
窓から侵入しましたから★
「おい亜姫…、ベランダから渡って来るのは危ないって言ってるだろー」
「だって最短距離」
「ったく…怪我なんかしたら心配なんだからな」
「京ちゃん…」
あぁっ…!!
もう好きすぎます…!!
何、この優しさ!!一見無愛想なのに人を気遣ってくれて…
「さっすが京ちゃん!!」
「は?何が?」
あ、声に出しちゃった…★
「京ちゃん、北高だよね、駅まで一緒に行こー」
「いいけど…お前、せめて着替えてから来い。パジャマじゃ行けねーだろ」
「あ、そっか、じゃあまた後で」
あたしは窓に手をかけた。すると
「送る。ベランダまで…。何かあったら怖いから」
「ありがと~」
「じゃ、また後でっ」
「今度はドアからな」
「はいは~い」
平和で平凡で
恋愛進行なんて無いけど
あたしは…こうやって
京ちゃんと笑って過ごせるこの日が大好き
だから、こんなに切なくて
苦しくて、
泣いてばかりの日々を
過ごすなんて
考えてもいなかった…