また君に恋をする。
「よし、じゃあアタシ行くね」

ホテルの鍵を俺に渡してハルは出て行こうとする。

「もう会うことは無いと思うけど、それはアンタが持ってて」

ハルは傘を指差して言った。

胸が微かに苦しくなった。

「…ああ」


「…じゃあね、ありがとう。レオ」


ドアはあっけなくパタンと閉められた。


今ならまだ間に合う。
連絡先を聞きに…。


なーんてね。


連絡先なんか聞いたってどうにもならない。


俺とハルは一夜だけの関係だったんだよ。


もう忘れよう。


んで今までどーり適当に女のモノになりゃいい。


俺はどうせ、ハルにとっても誰にとっても、商品でしか無いのだから。


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