また君に恋をする。
俺も空を見上げてみた。

綺麗な、満月だった。



「…おい、アンタ」

どうしてだろう。
何かに引き寄せられるかのように、俺はその女に話しかけていた。


「…なに…?」


そう言って俺を見つめた。

俺は見とれてしまった。

多分…いや、絶対。
アンタはこの時泣いていた。

雨で気づかなかったけど。
この時アンタの瞳は、赤く充血していた。

初めて女を綺麗だと思った。


< 3 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop