オッサン革命
どんでん返しはおやくそく

act11.無自覚すぎる




「つーかお前、平子帰るの止めなかったな」

「だって電車なくなるってならしょうがないじゃん」


えらくあっさり。ああ、平子のこと特別視ってのはなさそうだな



「もし俺の家が遠くて、平子の家が近かったらここにいるのは俺じゃなくて平子?」

「さぁ…。3人で遊んでるんじゃないの?」


そう言いながら酎ハイを飲むあんこににじり寄った


「それ聞いたら眠くなったなあ…」

「うん、意味不明だね。ここで寝れば?」


ぽん、とベッドを叩く杏子を見て、無意識にポツリポツリと言葉が洩れてきた


やっべぇ、俺。酔ってきた…


つーかさ、酔ってるとはいえ、女が軽々しく自分のベッドに寝ていいとか言うなよ、俺だって男なんだぜ?


「大体いつもあんこには危機感が無さすぎんだよ!」

「…危機感?」

「もし俺に下心あったら、お前襲われてんぜ?」

「そりゃ恐ろしいこって!キャハー」

「杏子」

「ちょっ……」


あんこの身体を押し倒すと、彼女は間一髪でコップの中の酎ハイを飲み干した

あんこの顔に僅かに緊張が走ったのを認め、少し気が晴れた


「分かる?お前に手ェ出すのなんて、簡単なんだよ」

「あー吃驚した…零したらどうすんだよ馬鹿聡太」

「…男、なめんな」


倒したあんこの耳の横に右手をつき、もう一方の手は喉元に添える
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