オッサン革命

act14.ジャマイカ行き決定



…正直に謝った方がいいよな、杏子と気まずくなりたくねェし
腹を決めた聡太は床に両手をつき、
ゴン、頭をも床につけた


「オレ、昨日は、酔ってました。ごめんなさい、ホントごめんなさいっ」


聡太がはっきり早口で告げると、杏子はにっこりと笑った


「うん。酔ってたね。」

「俺、途中から記憶無いんだけど…何かしちゃいました?…そのキスしたとこまでは」


覚えてるんだけど、
声を小さくして言うと、杏子は頬を掻いた



「人間、酔うとやりたい放題になるから…な」




(やりたい放題)




俺、やりたい放題やったのか?ジャマイカ行き決定?
奈落に落とされた感じがした。あかんあかん、だめだだめだコレだめだ。



「とりあえず顔、洗ってくれば」

「…ほんと、オレ…まじ?」


杏子に促されるまま部屋の洗面所に向かう


「なんじゃこりゃあああ」


朝イチにしてはやたらいい音量の声が出た。松田さんにも匹敵するほどだ。


額に『肉』の文字
眉毛は縦3㎝以上の極太
瞼の上に目が書かれて
鼻毛が書かれて
アゴヒゲが書かれて
ホクロがやたら書かれて
ホクロ毛も書かれて

『キス魔』『変態』『マヨラー』『0点』『めんそーれ』…etc

鏡に映っているのは本当に自分の顔なのか
今日は鏡調子悪くない?休んだ方がいい。ありのままのオレを映してない、

聡太がにらめっこを始めて数十秒後に杏子の顔が鏡に映った


「ごめんねー、ちょっとやりたい放題やっちゃって…」


照れたように笑う彼女の肩を掴んだ

「あんこ、説明が欲しい」








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