オッサン革命
act17.欲求不満なんて、
ええええええ。かっこわる!
「聡太、欲求不満なんですか?」
背後から優しいお声がかかった。振り向かなくても分かる。杏子のことが大好きな、彼だ。
「おーおつかれさん田中ちゃん」
「盗み聞きは褒められんぞ」
「杏子、隣座ってもいいですか?」
「おーよ」
独特のペースで田中は杏子の隣に収まった…お盆に載っているのが奇跡とも言える量のパンやら肉も一緒に。
「毎度のことだけどよく食べるな、胃袋何でできてんの?」
「分かりません、何で出来てるんだろ?」
「てかお前仕事中だろ」
「はぁ、朝飯食べてないもんで」
「働けよ。…あーも、見てるだけでゴチソウサマな感じさ」
食欲が失せた。スプーンを置いたオレを見て、田中が爽やかに笑った
「また杏子に潰されたんですか?欲求不満の聡太」
「おいコラ」
「昨日はわりと酷かったな」
杏子がポツリと漏らした言葉に、田中が優しく食い付く…いやいや、まずいだろ