オッサン革命
act18.こいつだけには言いたくないこと
いや、何いっちゃってんのあんこちゃん…
食いつきやがったこいつ!
「何かあったんですか?」
「あ―――――」
「うん、聡太が急にねー」
「あ――――――――」
「何聡太、言っちゃだめ?」
マシがニヤリと此方を見たので、激しく首を縦に振った
「な、そんなやましいことが?」
やばい、田中がもっと感付いてやがる!
「も 聡太ってば、教えてくださいよー」
田中の顔は笑顔だが、握り締めているスプーンは折れそうだ!
パキン
カランカラン
「「!?」」
小さな音を立てて、田中のスプーンの首が折れて落ちた。オレは胸焼けを押してカレーをかき込み、バニラアイスを田中のお盆に載せた
「あー杏子、食べ終わった!?」
「え、うん」
「オレも!じゃー食器片付けて勉強でもしよーぜ!今日はいい天気だなー!じゃあな田中、よく噛んで食えよー!」
「スプーン新しいの貰ったほうがいいぞ、田中ー」
俺は杏子の手をとってレジへと走った。
「なんで、手を繋いでるんですかね…」
パキン
カランカラン
スプーンに続いてフォークが犠牲となったことを知る人は少ない。
――――
「すげぇよ田中のスプーン…何アレ、超能力?」
「や、握力だから」
今の俺たちの距離は
遠くもないけど近くもない