おないどし。
何でもないような顔をしながら、私は全力で彼の名前を思い出していた。


あ、わかった。確か…「シンジだ。大宮慎司。」うちの課内では4年目のキャリアを持つ、ベテランクラスの社員。新しく配属になった上司も何かトラブルが発生すると過去の事例を探るためにみんなシンジに頼る。そんな面倒を嫌な顔一つせず丁寧に対応し一緒に解決してくれるシンジは大人な存在だ。

大人なのは仕事上だけではないようだ。こんな派遣社員の私にまでも気を遣ってくれる。

「どう?新しい仕事は?まだ何がわかんないかもわかんない状態かな?」

「ホントその通りです。今は1日を終わらせるのに必死な状態で…みなさんと仲良くする余裕も時間もなくて…残念です」

「仕方ないよ。普段からうちの課はみんな仕事に追われちゃってるし。葛西さんの前任者も慣れるまではバタバタだったから…」


さりげないフォローがお世辞とわかっていても心地よくて嬉しい。それからシンジはイヤミにならない程度のプライベートな話題で場を和ませ私の緊張をほぐしてくれた。
大人だなぁ。という思いが強かったせいか当たり前のようにシンジを歳上だと思い込んでいたが誕生日の話題になってビックリ!私と同い年
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