アンガー・グラッチ・ヘイトレッド
男に言われるままに連れられて来たのはコンビニから数十メートル先の小さな公園だった。
本当は適当に撒いても良かったのだが、ほおっておいたら女の方に手を出しそうだったので、仕方無しについてきたのだ。
公園に着くなり男は、
「お前みたいなヤツが一番ムカつくんだよっ!」
と殴りかかってきた。
不意を付かれたオレはまんまと頬を殴られ、地面に尻餅までついた。
(それにしても傲慢というか無茶苦茶な動機だな。)
男は倒れた僕の胸ぐらを掴み更に殴ろうとする。
(コイツヤバいんじゃない!?)
「お前みたいなヤツは…」
男の体から黒いモヤモヤが出始めた。
「あらら。当たりだ。」
男は狂気の笑みを浮かべながら握り拳を振り上げる。
女は恐怖でひきつった顔でオレを見る。
オレは女ににっこりと笑みを返す。
「…!」
女はこの状況に耐えれなくなったのか。それとも助けでも呼びに行くつもりなのか何度も転びそうになりながら公園から出て行った。俺はそれを横目で見ていた。
「(大丈夫だよ。何て言ったって俺には…。)」
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