アンガー・グラッチ・ヘイトレッド
彼女は蓋が見つからなかった事が気に入らな無かった見たいで、歩き方が乱暴になった。
さっきから歩いてるけど人の気配が無い。話し声も歩く音も無い。と言うことは人は居ないというこになる。戦闘があるとすればマッドボールとだけだ。
彼女は辺りを鋭い目線で見回しながら歩いていく。
彼女は休憩室と書かれた扉を少し開けて動きが止まった。少しだけ開いた扉の下から黒いモヤモヤがお風呂の湯けむりみたいに出ている。
「いよいよお出ましってワケね。」
彼女はそう言うと思い切り扉を開け放った。姿を表したマッドボールは直径2メーターはある巨大なマッドボールだった。彼女はそれをまじまじ眺めて竹刀を構えると臆する事無く斬り込んでいった。
「さっすが!やるね〜あの子わぁ!」
彼女の勇ましい姿を見た俺は両手を叩いて歓んでいたのだが、突然背後から何者かに肩を捕まれたと思ったら機嫌の悪い声で話しかけられた。
「おい。ここで何してんだ?てめぇ!」
俺は釘バットを振りかぶりつつ男に答えた。
「何?って…見れば分かるだろ?悪者退治さ。」
そう言って10人くらいいるうちの1人の顔面を釘バットの先でど突いた。男は呆気なく倒れた。
釘バットの先には釘は刺さってない。
「さっすが改良したやつは使いやすいねぇ!」
残りの野郎どもはそれぞれナイフだの警棒だのって武器を取り出す。
「そうこなくっちゃ!」
俺がいかにも楽しそうに笑うと野郎どもは一斉に襲いかかってきた。
釘バットで相手の武器を叩き落として、先で頭か腹を思い切り突く。の繰り返し。
彼女と戦う前の準備運動には丁度良い。最後の1人が戦意を失って逃げて行くのを見送って、さてそろそろ行くかと休憩室に向かう。
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