まいらいふ
―入学式朝―
「凛!起きな!」
「…なんで?まだ休みやろ?」
「馬鹿か!高校の入学式今日やろ!」
「………忘れてたっ!!」
入学式ということを忘れ、最悪な目覚め方で私は起きた。
今日から高校生。
新生活らしい不安と期待が入り混じった複雑な気分で新しい制服に袖を通した。
リビングに行くと、お母さんは念入りにした化粧の最終チェックをしていた。
山田 香澄
それがお母さんの名前。
明るい金髪のボブにちゃんと厚い化粧。
関西人、だから私が生まれた都会は関西なのだ。そして、関西弁。
私とお母さんは、玄関の軋んだ音と共に外に出た。