まいらいふ
入学式の会場である体育館に向かうと沢山の人間。
手に嫌な汗が出た。
「いっぱい居る…。」
小さく溜息と零した言葉はざわめきに消えていった。
人込みは私の苦手な分野だ。人見知りアンテナがピコピコ動く。
その苦手な人にショックを与える言葉をお母さんが私に吐いた。
「入学式は、保護者と別々に座らなあかんみたいやな。」
まさに、ガーーーンだ。
もう一回、は?と聞き直したぐらいだ。
お母さんが間違っている、きっと何かの勘違い!
そう前向きに思っていた私に現実は厳しかった。
体育館に入れば、見事に保護者と別々だった。
「お母さん、また後でねー。」
「ちゃんと先生の指示聞きなよー。」
なんて声で体育館内はざわついていた。
そんな中、
「凛、また後でな。」
スタコラと去ってく私の母親。
私は仕方なく自分のクラスになった9組の紙が張り付けてある所に向かった。