会えない時間



右手で頬を撫でて、額や頬、瞼にキスを降らせる。


「ごめん。今日、あんまり余裕ない」


トサッとベッドの優しく横たえられて。

私の顔の横に両手をついた秀紀さんに見下ろされる。

熱のこもった、熱い瞳。

その瞳に見つめられたら、私だって余裕ない。


「…はい」


秀紀さんの首に腕を回して、唇を合わせた。

本当はもっと話さなきゃいけないことがある。

でも今は秀紀さんの温もりに包まれていたい。


「麻耶…好きだ」


囁かれた言葉はまた私の涙腺を刺激した。

それからは難しいことなんて考えずにただ秀紀さんだけを感じた。

秀紀さんだけを見た。



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