会えない時間



秀紀さんの逞しい胸から顔を上げて見上げる。


「…本当?」

「本当」

にっこり微笑んだ秀紀さんが本日何度目になるかわからないキスをした。


「あ、秀紀さん、今日、お仕事…」


ふと思った。

お仕事で忙しい秀紀さんはちゃんと寝て少しでも休まなきゃいけないのに。


「今日は日曜だから休み」


くすくす笑う秀紀さんにドキドキが消えることは永遠にないだろうなぁ。


「…でもさすがにちょっと眠いかも。寝るか?」


目を擦る秀紀さんはちょっと可愛い。

こんな風に2人で眠りにつくのは稀。


「うんっ」


もぞもぞと動いて秀紀さんの腕に頭を乗せる。


「…おやすみ、麻耶」


「おやすみなさい」


秀紀さんの温もりに包まれながら眠りにつく間際「愛してる」の愛しい人の声がした気がした。





End
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