ラヴ・レター



“久雷 翔くんへ


好きです。



     本橋 早苗”



夜中の3時まで考えてできたのはほんの3行の手紙…。

しかも本文は1行…。

でも“好き”って2文字にはあたしの精一杯の気持ちを詰め込んで綴った。

もしかしたら、読んでくれないかもしれない…そういうことも思ったけど、やっぱ好きだから仕方ない。


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―――――――
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翌朝。

あたしはいつもより早く起きて学校に行った。

ありきたりかもだけど、ラヴ・レターを翔くんの靴箱に入れるために…。

案の定、時間が早すぎてまだ誰も来てない。

あたしは安心して翔くんの靴箱に手を掛けた。


「本橋?」


ちょうど手紙を入れたとき、声をかけられた。

もちろん、声だけで誰かなんてわかってた。

あたしがゆっくり振り返るとキョトンとした表情の翔くんが立ってた。


「っ…」


あたしはその場から走って逃げ出した。

よりよって本人に見られるなんて…。

こんなことなら書かなきゃよかった…。

しかも手紙置いてきちゃったしっ…!

あたしは全速力で階段を駆け登って屋上まできた。

フェンスに手を掛けると自然と泣けてきて…翔くんの顔が頭に浮かんだ…。


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