Little Eden
「それにしても、今日は授業に引っ張っていかないのか?」

多少の揶揄を交えて、青年はティースに言うと、ティースは碧い瞳をそちらに向け、少し間を空け言った。

「聞きたいことがあなたに有るんですよ。ジーク。」

と。

「へぇ?お前が、俺に?珍しい。明日は雪が降るかもな。」

「変な事言わないで下さいよ。真面目に聞いて貰えますか?」

自分の言葉にクスリとも笑いもせず、そう言う友人にジークは笑い

「すまない、続けてくれよ。次は真面目に聞く。」

そう言うと、ティースは俯き尋ねる。

「ジークは…誰かを好きになったことは有りますか?」

「…は?」

「ですから!誰か女性を…」

そこまで言うとティースは言葉を噤む。
ジークは思わず、友人に見惚れた。
いつもならば、無表情と言っても良いほど眉一つほぼ動かさない彼が、白すぎる程の顔を、首までも朱に染めあげていた為に。
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