君のそばで微笑みを

「いっき相変わらず背小さいね」


 俺を見下ろすその目、めちゃくちゃ懐かしい。


 隼人は一八〇センチあって、俺と大差ない……ハズなんだけどなんか大きく感じる。

 

「いやいや、八センチしか変わんねーし!」


「チリも積もればって言うだろ?」


「それ使うとこ間違ってんじゃん!」


 くだらない会話で笑い合いながら、俺達はどちらからともなく歩き始める。


 ‘どこ行こうか’なんて言葉はいらない。

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