君のそばで微笑みを


 この人混みの中、上手く会話が聞き取れなかった隼人は不思議そうな顔をしている。


「どした?」


「なんか……買い物に付き合えって……そんで荷物持てって……」


「……悪魔だな。アイツが総理大臣じゃなくて良かった。間違いなく日本国は滅びてたわ」


 隼人の意見に力なく頷くと、俺は大袈裟にため息をついてみせた。

 
 ……いや、心の底から出たため息だったかも。

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