君のそばで微笑みを


「あ……ナナには言った?」


「いやぁ~それがまだ言えなくて。遼太の異動の事も、前日まで内緒にしようってなったんだけどさ」


「ちょっと可哀想かも」


「そうなんだけど、あの子もしかしたら取り乱すかもしれないでしょ?」


 実は……遼太は少し前に異動が決まった。


 そう遠い場所じゃないけど、こっからだと通うのに不便だからって事で一人暮らしをする事になったんだ。

 しかも――遼太の誕生日の六月十五日当日に引越し。

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