「こころの音」
ゆうこは、そのままとおるやみさき・まり・ゆうみの居る先輩の家に向かった。
「帰ってきたよ〜」
「早いなぁ〜全くもう…ちゃんと親と話ししてきたのか」
「うん…親が離婚してた。」
「そっか〜」

そう言って、とおるはギュッ〜とゆうこを抱きしめて、しばらくそうしていた。
ゆうこは暖かな胸のぬくもりで、居心地良くて…

とおるを初めて好きになって……初めての人で……

今のゆうこには生涯一緒に居たいと思っていた。

「相変わらず仲良いねぇ〜」
「羨ましいよ」
みさきもまりもゆうみも言った。


それから、みさきたちと連絡が取れなくて、とおるの家に行ったり、先輩の家に行ったり…を繰り返していた。
たまに学校へも行ってみた。
でも、みさきたちと会えなかった…

(みんなどうしちゃったんだろう…)
ゆうこはとおると、まりの家に行ってみた。

はじめてまりのお母さんが顔出した。

「まりは当分帰ってこないよ…」
「どこ行ったんですか?」

みさき・まり・ゆうみは、シンナーを吸って警察に捕まり、それぞれの親がそういう子たちが入る施設に入れたんだと、まりのお母さんは説明してくれた。


ゆうこは愕然とした……

思いもよらない出来事……

なんだか言葉が出ない……

けれど、涙だけは流れていた……



私の仲間…友達…居ない…



ゆうこはとおるにしがみついて泣いた……

とおるも思いっきり抱きしめてくれた……

涙も拭いてくれた……

とおるも一緒に泣いた……


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