「こころの音」


始業式…



ゆうこも二年生…クラスが変わったから、ちょっと嬉しかった。
ゆうこの事は皆知ってるから、誰も話しかけてなんて来ない……

予想通りの光景に、ゆうこは胸は痛まなかった。

とりあえず、とおるの言うとおり、真面目に勉強して学校に居ようと思った。

一週間が過ぎた頃、突然同じクラスのひろみが、

「一年の時、家に帰ってなかったの?」

「うん…なんとなくね…」

「でも、なんか気持ちすごくわかるなぁ…」

そう言って、ひろみが家の事情を少し話してくれた。

親が厳しすぎて、反発するらしい…
かなり親を嫌ってる感じ。
ひろみが話してきてくれて、ゆうこももう親が離婚しちゃった事とか、不仲だったのが嫌だったと、話した。

「二つ上のとおると付き合ってるんだ。すごく優しくて暖かくて…」

「そうか〜ゆうこは羨ましいね!私も頑張ろうっと!」

そんなふうに笑いながら休み時間は過ぎた。

(ひろみと仲良くなれるかな?)

今日は早速ひろみと一緒に学校帰った。

ひろみの家の前で別れた。
その後、とおるの家に行ってみたが、留守だった。
先輩の家にも行ってみたけど、来てなかった。

(もうなんだか違う世界に行っちゃったみたいだな…)

夜遅く、とおるの家に電話した。

とおるが居た。

嬉しくて嬉しくて……

「とおる元気〜?もう久々で死にそうだよぉ〜」

「ん…高校行くとやることやらないとならないしなぁ」

「それにしても遅かったんじゃない?」

「俺にだって新しくできた友達とか付き合いあるじゃん」

「そうだよね…ごめん……あっ、私、友達一人できたよ!」

「良かったなぁ〜、なんか安心したよ」

「ありがとう…」



この後から、とおるとは会うこともほとんどなく、時間だけが過ぎていった……


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