「こころの音」
クラスでは、ひろみとべったりするぐらい仲良くなれた。

よくよく話すとなんとなく話し方がおもしろかったり、ちょっと何かあるとキレかけるところがあって、ひろみもゆうこと話が合うのかもしれない…と思った。

「彼…とおるの事なんだけどさ…高校行ってから、もうほとんど連絡くれないし、会えなくなっちゃってね…」

「何よ〜仲良かったんじゃないの?どうしちゃったのよ〜」

「ん…あんなに熱かったのにさ…私はどうしても忘れられないの」

「なんか話聞いてると、自然消滅ねらってる感じだもんね、彼」

「ん……」


ゆうこはとおるの学校に行ってみようと思って、早退した。


ずーっとずーっと校門で待った……
やっととおるが出てきた。
女の人と腕を組んでる……


「とおる…」


とおるはゆうこを見てびっくりして、
「何だよ〜来るなよな、学校に」

突き放された…

(どうして?どうしてなの?あんなにずっと一緒に居ようっていったのに……)

ゆうこはとおるの裏切りがなぜなのかわからなかった…
苦しかった…苦しくて苦しくて…
涙が止まらない…痛い、胸が痛い…

帰り道、とおるの裏切りに打ちのめされて、以前の母親の事などを思い出していた……

とおるには新しく好きな人が出来たんだろう…

(諦めるしかないね……)


道行く人が振り返るほど、大きな声でゆうこは泣いていた。

またゆうこのこころの奥で低い音が鳴っていた……



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