「こころの音」
行くあてもなかったが、公園で寝るには、もう寒い季節になっていた。

よくとおると行った、しずこ先輩の家に行ってみた。

留守だった…

仕方なく、やすゆき先輩の家に行った。

やすゆき先輩の家は少し離れていたから、裸足の足がすごく痛かった…


「やすゆき先輩、居ますか〜?」

「あれ〜ゆうこちゃん久しぶりだね〜とおると一緒じゃないのか〜?」
 
「……」

「何だよ!裸足じゃないかよ!どうしたんだよ、とりあえず入れ!!」

「足痛い……親と合わなくて、家出ちゃった…」


「それとね…とおる、好きな人できちゃったみたいで、別れちゃったんだ…もう一年以上前の事…」


「しかし、家出る時靴ぐらい履いてこいよ〜まったく…」



少し時間が経つと会話が途切れる…
テレビ見ながら、作ってくれたインスタントラーメンを食べた。

突然やってきたゆうこに、親切にしてくれた…


やすゆき先輩は仕事だから、いつまでも起きてるわけにいかず、仕方なく一つのベッドで寝た……

思ったとおり、やすゆき先輩はゆうこにキスしたり、ゆうこの胸に顔をうずめて…
荒々しくゆうこを求めた。
ゆうこは抵抗もしなかったし、体を許すことなど、今のゆうこには大した事なかった…


ゆうこには行くあてがほかになかったから……


(ひろみ、心配するだろうな…ごめんね、ひろみ…)
布団の中で涙がまた流れた…



やすゆき先輩の家に居候している間に、二人は付き合ってる雰囲気になっていた。
誰か遊びに来ても、やすゆき先輩はそう言っていた。
クリスマスも一緒に過ごし、可愛いバッグもプレゼントしてくれた。

でも、ゆうこはやっぱりとおるが忘れられなくて、こころから好きになれなかった…

「お正月に家に帰ってみようかな…」

「うん、わかった…」

やっと受験の時期になって…
高校に行かなくてもおかしくない、長期の家出って理由があるから、弁解しなくても大丈夫なはず……



ゆうこはこの日をひたすら待っていた……


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