「こころの音」
最期
それからもひろみが毎日来て、元気づけてくれたり、友達の話をしてくれたり…
そのおかげでゆうこはたくさん励まされた。

でも…夜になると恐かった…毎夜、朝が来るのかと思いながら眠った…


かなり状態が悪くなり、あまり起き上がれなくなっていた……

ひろみに…
「私ね…今までずっとつくろってたの…」

「何を?」

「小さい頃からの生活ずっと……誰にも話してなかったから聞いてくれる?」

「うん、話して」

ゆうこは…
母親の醜態、父親のギャンブル…いつも食べるものがなかった事、両親が家に居なかった事、その間母親が隣人の家にいた事、お金がなくて高校に行かれない事知って、理由づくりに家出していた事など……最後とばかりに全部話しした。


「ゆうこ…あんたの人生ってさ…ほんとに辛くて…でも強くて……」

ひろみが号泣した。


「でもね、ほんのちょっとの幸せもあったんだ…」

「家族三人で出掛けたり、小さい頃三人で見たきれいなれんげ畑の景色…あれは今でも目に焼き付いてる…ほんとにきれいだった…」
「あとはみさき・まり・ゆうみと知り合った事にも感謝してる…」


「とおるとの事も…私にとってはいい恋愛だった」


「それと……ひろみにめぐり会えた事…これは神様に感謝しなくちゃねっ」

「ひろみ…本当に今までずっと私の事、見守ってくれてありがとうね…」



そう言ってひろみの手をしっかり握った……



ひろみはただただ泣きながら、ゆうこの目を見つめていた……




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