短編■ 男子中学生用トラップ
たまに授業に出てやろうと言う気になる。
けれど席に座って5分もすればたちまち飽きてしまう。
そもそも授業内容がくだらなさすぎる。
先生の引き止めを無視してリキが向かったのは屋上。
立ち入り禁止だが渡り廊下に備え付けのハシゴを使えば、
簡単に侵入できるので不良と呼ばれる連中にはちょうどいいたまり場だ。
風に乗って香る煙たさに姿を見ずとも、既に集まっていると分かる。
「重役出社だー」
おどけた口調で笑いを誘ったのだが、沈黙。
(残り香か?)
ひょこりと顔を出せば、居るではないか。
金髪ロングの頭、茶髪に黒メッシュの頭…仲間の内の2人が居た。
聞こえなかったのかと、もう一度「重役出社だぜ」と言った。
しかし―――