短編■ 男子中学生用トラップ
「お前ふざけんなよ」「人の女に手出しやがって」
今にも殴り掛かってきそうな勢いの二人にリキは首を傾げる。
ミカという名前をぼんやりと思い出し、なるほど友人の女だったのかと知る。
「…わりぃ、でも合意だ、…つか誘われたから乗っただけだ」
「っリキ!!!」
一人相手に二人掛かりかと思うより先に手が出ていた。
足元に疼くまる二つの塊。
――そう、リキは喧嘩が誰よりも強かった。
(……だる)
これ以上ここに居たくない。
自然と足は街中に向かっていた―――