短編■ 男子中学生用トラップ
先生から
・日常茶飯事
ガッシャーン
授業中にふさわしくない大音量。
それはガラスが割れた音であり、犯人は誰かなど、この中学に関わる者なら皆知っていた―――
「ごめん!授業中断!センセ戻るまで自習してて!
そうね、単語ノートに10回ずつ!!」
誰に言う訳でなく伝えると、マツリは足早に教室を飛び出した。
“廊下は走ったらいけません”そんなポスターに構っていられない。
(本っ当、勘弁してよね!!)
息を切らしたマツリが見つけたのは、割れた窓ガラスに寄り掛かる一人の生徒。
――森崎 リキ。
学内1の問題児だ。