短編■ 男子中学生用トラップ
先生から
・本音
「リキ…」
抱きしめられる体を押し返すことはせず、マツリは名前を呼んだ。
「マツ、リ…」
甘い声が理性を吹き飛ばす。
津山マツリ新米教師、森崎リキ学内1の問題児。
自分とリキは先生と生徒。それをなくしても大人と子供。
漏らしてしまいたい本音を飲み込み、マツリは唇を強く噛んだ。
そうしないと決意が揺らぐ気がしたからだ。
しかし、
「マツリ」という甘い声が唇に触れた瞬間、頭の中が真っ白になった。
(―――キス、した!?)