短編■ 男子中学生用トラップ
「だって、不良だろうがヤンキーだろうが、なにかしら一生懸命なのは事実でしょ?
100悪いわけじゃない、頑張ってるのは分かる。何かに頑張ってるんだなって。
あと、例えば。
窓ガラス破壊するのは、ガラス屋さんや修理屋さんからしたら仕事が増えるし、
あんたはもしかしたら社会経済に役立ってるかもしれないしね?!
でも、マーみたいなか弱い乙女はガラスの割れる音が恐怖で、夜なかなか眠れないかもしれないの。
あんた、そこまで考えてた?」
冗談を交えて、拙い言葉を懸命に自分にぶつけてくれる人がいて―――
リキはわざとらしくため息を吐くと、マツリに言った。
「津山マツリ先生、俺、マーのこと好きみたいだ」