短編■ 男子中学生用トラップ

「……森崎」

「リキって呼んでよ、センセ」

人を好きになるのは自分が初めてだと、純な告白を前に、マツリは首を傾けてリキを見つめた。


「それが、……あんたは、まだ子供、だ」

「年とか!そういうの抜きで!!」


一世一代の告白を、先生だから子供だからと流されたくはない。

こんなにも自分の内側に入ってくれたのはマツリが初めてで、

これからもマツリだけで―――


「せんせいっ!!」


切羽詰まった声色に、マツリはお手上げだとばかりに肩を竦めた。


そして、

< 40 / 50 >

この作品をシェア

pagetop