短編■ 男子中学生用トラップ
「わかんない?やっぱお子様じゃない」
お子様という言葉にムっとしたリキが可愛らしく、マツリは手のうちを明かすことにした。
「“あんたの周りの女はあんたにメロメロ、だったら逆をいってやろう。ぼっちゃんなら小悪魔テクに弱いだろう”
だからマーは、あんたになびかずにしてみた。今だってわざとあんたを頭ごなしに罵倒してみせた。
で、ちょっとフォローしてみせた。したらあんた、まんまとそれに嵌まってる。
騙されんなよ、こんな罠に……」
ぺらぺら話したマツリは、もう話すことはないとリキに心から微笑んだ。
それは恋する乙女の淡い笑顔で、リキの心を虜にする笑顔―――