短編■ 男子中学生用トラップ
元々、卒業式の日に振るつもりだったのだ。
あの日から時間が経ち“気が変わった”と言えばいいのだから。
そもそもリキが高校生になったとしても、条例か何かで問題があるし、周りの目はよくはない。
けれどマツリはリキに悪いとは思わない。
彼は改心したことで新しい未来が出来たのだ。
それに彼はお子様だ。
「ガラスを割るのに。リキはガラスを拾ってくれなかった」
大人の主任なら、割ってもいないガラスを拾ってくれた――――
森崎リキ、純粋な生徒。
津山マツリ、腹黒な教師。
〓男子中学生用トラップ〓
【おわり】