短編■ 男子中学生用トラップ
背は中学生なのに180以上あり、細身な体付きは意外と筋肉がついていて、
正にマツリの好みな体型。
おまけに顔立ちは甘くて色気があり、年齢の割に完成している。
そう、森崎リキは素行さえ除けば、まるで“王子様”な容姿なのだ。
(イケメンとか卑怯!)
邪念を振り払い、マツリは森崎とその横の少女を効かせる。
(絶対!負けないから!)
「リッキーどしたの?」
担任の車をいつまでも見つづける森崎に、通称マドンナは問い掛けた。
「ん、なんでもない」
森崎がにこりと笑みを作ったのをマツリは知らない。
赤く燃える夕日が校門に居る二人の影を伸ばしていた―――