短編■ 男子中学生用トラップ
・お宅訪問
(なんでなんでなんで私が!)
(……って担任だからですよね)
ある日の放課後マツリは高層マンションの真下に居た。
「っ入れなさいよ」
「は、やだね」
「入れなさい!!」
そう、度重なる素行の悪さに森崎リキの両親に会いにきていたのだ。
しかし、インターフォンから揉めている始末。
「入れなさい!」
思いっ切り怒鳴る。マツリの武器はせいぜい大声だ。
目に余る授業妨害にマツリを始めクラスメイトも困り果てていた。
「へーへーどうぞご勝手に」
軽い誘導に足音を立派に立て、敵陣に向かった。