小春日和
案の定HRは終わっていて教室のは紗乃ちゃんしかいなかった。
私の気配に気が付いたのか紗乃ちゃんがゆっくりとこっちを向いた。
「小春っいきなりどうした、の……泣いた?」
やっぱりまだ目が赤かったかな。
私は紗乃ちゃん後ろの席に座った。
何にも言わずに紗乃ちゃんは私が話すのを待ってくれた。
「…恋ってさ、苦しいね」
恋をすると自分の嫌なところがどんどん見えてくる。
「やっぱり、好きな人いたんじゃん…告ってきたの?」
紗乃ちゃんは優しくそう言った。
私は首を横に振った。
「じゃあ、どうしたの?」
どうしたの…どうしたんだろう。
日和と野田くんが話してるのを見て悲しくなって…。
でもそんなこと言ったら私の好きな人が紗乃ちゃんにバレてしまう。
どうしよう。
「紗乃~お待たせ」
私がどうしようかと迷っていると会長が紗乃ちゃんを迎えにきた。
なんてタイミングがいいんだ会長!
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