小春日和
好きな人がいないなんて嘘。
ホントはいる。
ずっとずっと片想いしてる人が。
でも私は臆病だから嫌われたくなくてずっと言えないまま…もうずいぶんたってしまった。
でも、どんなに時間がたってもこの気持ちは消えなかった。それどころかどんどん好きになってた。
「怪しいなぁ〜ホントはいるんでしょ?」
紗乃ちゃんはへんに鋭いから困る。
「本当にいないってば!」
それでもさらに追及してきそうな紗乃ちゃんの様子に少し身構えていたが、タイミング良く午後の授業の開始を告げるチャイムが鳴った。
助かった。
いくら紗乃ちゃんでもこれだけは言えない。
でも…ずっとこのままで居るわけにもいかないのも分かってる。
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