小春日和
「あっ」
つい声が出てしまったが、思ったよりも小さかったらしく周りには聞こえていないみたいだ。
またグラウンドに視線を戻すと、日和がトラックの内側に入って膝についた土をはらっていた。
さっき転んだときに膝を擦りむいたみたいだ。
日和は先生のところに行ってから水道の方へ歩いて行った。
大丈夫かな?
終わったら保健室行ってみよ。
授業が終わって私はすぐに席をたった。
「ごめん紗乃ちゃん!私HRパスするから先生に言っといて」
まだ寝ぼけた顔の紗乃ちゃんにそれだけ言うと私は教室を出た。
.