涙の数だけ幸せになれる
SIDE 詩織

家にかえっても誰も家にいなかった。
一人淋しくソファーにすわる。
ウトウトしているとインターホンがなった。
「はーい…」
あたしがでると、汗だくで制服のネクタイが揺る待っていて、息切れをしていた彼にあった。
「し、伸哉!?」
あたしは驚いて目をマルクする。
「…その……今までごめん!」
いきなり頭を下げる伸哉。
「伸哉どうしたの?」
あたしは伸哉を無理やり顔を挙げさせた。

「俺正直に言うよ。俺詩織は好きだ。恥ずかしくて旨く笑えなくて…しゃべれなくて…
こんなに小さいのに付き合ってくれてありがとな。」

伸哉は照れくさく笑う。
「てかなんでいきなり?」

「いやぁ、背が小さい女が俺にいろいろ言ってきたからよー」
「わざわざありがとう」
あたしはニッコリわらって伸哉にまたねっていった。

背が小さい女…?
もしかして聖羅…?


そして三日がたちあたしは登校をした。
まだ噂があった。
変な噂まで広がっていた。
でも…
「詩織おはよう」
聖羅が笑って話し掛けてきてくれた。
「せ、聖羅ぁ…」
あたしは聖羅に抱きついた。
「ちょ…詩織?」
「ありがと…聖羅。伸哉と話せたよ。ありがとう」
「よかったね」
聖羅がギューってしてくれた。
「お二人さーん、暑苦しい。しかも俺の彼女にくっつくな。」
そこには伸哉が。
「うるさい。バカ伸哉!」
聖羅が伸哉を叩く。
「いってー!」
伸哉が聖羅を叩く。
そんなのを見ながらあたしはわらっていた。

いつまでも仲良くいれますように。
そんな事を思って。
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