ACcess -縁-
腕だ!
そう思って必死でそれを掴み、自分の方へ寄せた。
歩も俺を掴み、自然と抱き合っていた。
大量の海水を二人共飲んでいたし、体温はどんどん下がっていっていた。
とにかく岸へ、と相方を抱えて水をかく。
しかし、思うように体が動かない。
どんどん、どんどん視界は霞んでいく。
灰色の世界に自分が溶け込んでいく。
ゆっくり底へ沈んでいく…。
実はそれから余り覚えていない。
気付いたら、その日の前後の記憶が曖昧だった。
歩に聞いてみようと思ったが、向こうも気まずそうにしていたので、結局分からなかった。
夢?
でも、歩を掴んだ感触はリアルに残っていた。
あれは…何だったんだろう。
妙にリアルな記憶。
すごく恐いものの様な気がした。
それからは彼が命を絶つ行為をしているのは見ていない。
見ていないだけで、実際の所は知らない。
俺は何も知らない…。
それが現実でも夢でもであってもだ。
その方がいい気がした。
知らない方が。
そう思って必死でそれを掴み、自分の方へ寄せた。
歩も俺を掴み、自然と抱き合っていた。
大量の海水を二人共飲んでいたし、体温はどんどん下がっていっていた。
とにかく岸へ、と相方を抱えて水をかく。
しかし、思うように体が動かない。
どんどん、どんどん視界は霞んでいく。
灰色の世界に自分が溶け込んでいく。
ゆっくり底へ沈んでいく…。
実はそれから余り覚えていない。
気付いたら、その日の前後の記憶が曖昧だった。
歩に聞いてみようと思ったが、向こうも気まずそうにしていたので、結局分からなかった。
夢?
でも、歩を掴んだ感触はリアルに残っていた。
あれは…何だったんだろう。
妙にリアルな記憶。
すごく恐いものの様な気がした。
それからは彼が命を絶つ行為をしているのは見ていない。
見ていないだけで、実際の所は知らない。
俺は何も知らない…。
それが現実でも夢でもであってもだ。
その方がいい気がした。
知らない方が。