ACcess -縁-
まだβ版が作られる前に試作ゲームとしてテストユーザーの応募がかかっていた頃に、アイツが気になるから一緒にしないか、と誘ってきた。
そして締め切り数日前に俺らは登録をした。


バラバラに部屋に篭ってキャラを作り、お互いに見せ合った時だった。
どこか似たアバターが出来てしまい、結局双子設定と勝手に自分達で名付けそっくりなアバターを作った。

まだ試作品の状態だったので容易に似たキャラを作れ、装備のエフェクトも似たものを付けた。


カナリアイエローのチャイナ服のような戦闘服。
細腕から放たれる拳闘士の技。

後に双子の蜂、Twin Beeとして名が轟く。
そして名前だけが独り歩きする。

でも高レベルプレイヤーとして恥ぬ遊び方をしてきたつもり。
だが、それは時に凶と出る事もあった。

まぁ、基本無視だ。
相手が調子に乗らない程度に。
調子に乗ったら、それなりに制裁は加えて来たけどね。


ボーっと風呂に浸かっている時だった。

ガンガン―

ノックだけして誰かが扉を開けた。
「お前オレのチョコ食っただろ!」
「…まだ返事してねぇぞ。つか、レディの入浴中に何故開ける?」
「誰がレディか、このネカマっ!」
「人をネカマネカマ…。自分もネカマの事を思い出すがいい。」
「うるせぇっ!大体おまっ」
「小ジワが増えるぞ。」
「泉ぃぃっ!」
「…歩、静かに。」

人のバスタイムをこれ以上邪魔されるのは嫌なのでシャワーをかけて追い出した。

なんぞ。あの弟。
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