ACcess -縁-
なんとかタウンにまで戻って来れた。

実はタウンに帰って来るまでに色々とあった。

妖精の鱗粉を貰う換わりに、護衛をすると提案したが、ソイツも残念ながら持っていなかったため、仲良く横に並びながら出口を目指した。

はたから見れば女の子を守っているレベルの低い用心棒に見えないこともない。
「僕、“用心棒”に見えます?」
嬉しそうにそう言っていたが、本当の所…用心棒はオレの方だ。
そう思いながら、ソイツを襲いそうになった敵モンスターをオレは一発で倒してやった。

「で、なんですか?それ。」

もう、なんだっていいよ。
そう心の中で返してやった。

オレはビギナーの世話も、兄貴の世話も大変だなって実感した。

でも、悪くない。
そう思ったのも事実だ。


酒場を出て、噴水の方まで歩く。
実は約束をしていて、それまでの時間潰しに付き合ってもらおうかと。
多分あと十五分もすればやってくる。
「じゃあ、用心棒を教えてください!」
目を輝かせて言った。

深呼吸。
「用心棒ってのは、プレイヤーが勝手に名乗ってる職業だよ。」
バザーの方へ体を向けて指を差した。
「ほら…バザーでアイテムの売買を中心にプレイしてる奴等のことをバイヤーって言うだろ?
 用心棒は警護とか、壁役をしてアイテムなんかを報酬に貰ってるヤツのことだよ。」
「なるほど…。
 でも僕、守ってあげられるほど強くないです!」
「…知ってるよ!」
背中をどついたのにヘラヘラ笑っていた。
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