ACcess -縁-
次にソイツは自分を指差して、
「じゃあ、僕はどんな職業だと思います?」
とオレに聞いてきた。
「そんなん決まってる、ビギナー(初心者)だ。」
即答して、ケケっと笑ったらソイツも笑った。
「だったら…ビギナーナイトとかどうですか?」
「覚えとくよ初心者。」

初心者の騎士か…。

にんまりと笑い、またソイツは質問をしてきた。
「どんな職業なんですか?」
「…オレか?」
「はい!」
やっぱり分かってないみたいだ。

そうなると説明も面倒臭い。


ちょうどよく足音が聞こえた。

「お、泉が風呂上がったみたいだ。」
「…泉?待ち合わせの…?お友達ですか?」
「あぁ…?まぁ、そんなんじゃねーけどな。」
これも面倒臭くて頭を掻いた。

ソイツは頭を傾げた。
ついでにソイツの頭に乗っかっていたペットも一緒に斜めになった。

「…ペッパー!」
名前を呼べば、遠くのほうから歩いてくる黄色い影があった。
「待たせたな…。
 …なんだ?それ。」
目線だけでオレに聞く。
「さぁね。」
なのでオレは首をくすめる。

見るからにガンを飛ばしている相方にソイツは満面の笑みで挨拶をする。
「こんにちわ!
 えと…お友達、ですか?」
「あぁ…?まぁ、そんなんじゃねーけどな。」
「ははっ。お前、オレと同じ事言ってるぜ。」
「あぁ!?」
今度はオレにガンを飛ばしてきた。
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